いつからかはよく覚えていないけれど、月が好きになっていた。
その気持ちはいつしか好きから必要に変わり、今はもっと近い存在のような気がする。
だから気づいたらいつも月を眺めている。
身近である月は、もちろん旅行先でも一緒だ。
世界中のどこへ行ってもずーっと一緒で、雲が邪魔をする日と新月以外はいつでも見られる。
そして見るとなんだか安心する。旅先の場合は尚更に。
私が地球上を何十時間もかけてチョロチョロしたって、月はそこにいて、同じ姿で見守ってくれる。
どこに行っても必ずいて、どこに行っても姿は変わらない。
そんな風に感じたとき、ふと自分のちっぽけさが映し出される。
多くの時間を費やして動く海外旅行の意味を問いただしたくなったり、
故郷を遠く離れた異国に来たところで、そこは地球内に変わりはなく、
そして宇宙という存在の大きさを知らされる。
月はそんな風にして、私にいろいろと教えをくれる。
だけど満月の日だけは何も教えてくれない。
ただただまん丸く輝いて、その美しさで私を魅了するだけだ。
だから常にため息。恋する人を想うかのように。
そして生まれて初めて、この上なく美しい満月をセドナで眺めることになった。しかも朝に。
こんなに明るい空に、こんなに大きくて幻想的な満月が浮かんでるなんて、不思議。
と思いながら、山間に沈んでいく姿をただただ眺めていた。
パワースポットと呼ばれるセドナの持っている力強いエネルギーを、大いに感じた気がする。
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